三康文化研究所/三康図書館

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開催報告

2024年度開催報告

第1回公開講座(ハイブリッド開催)

  開催日時:20245月20日(月)16:0018:00

開催方法:ハイブリッド開催(Zoomミーティング・会場 閲覧室)

講座:

①林田康順(三康文化研究所研究員・大正大学教授)

「浄土宗開宗850年慶讃 浄土開宗の文-二祖三代の伝灯を仰いで-」

②宇髙良哲(三康文化研究所研究所研究員・大正大学名誉教授)

 

「南光坊天海と徳川家康」  

 

定員:事前申込制 先着順 オンライン80名 会場20名

参加費:無料

内容:

 この度、三康文化研究所において、林田康順研究員(専門分野:法然浄土教・浄土宗学・日本浄土教)と宇髙良哲研究指導員(専門分野:日本近世仏教史・浄土宗・天台宗・真言宗・修験宗)による2024年度第1回公開講座を520日に会場とオンライン(ZOOM)を併用してのハイブリット形式で開催しました。

林田康順研究員は「浄土宗開宗850年慶讃 浄土開宗の文-二祖三代の伝灯を仰いで-」と題し以下のように講演しました。

 

 承安五年春、四三歳の法然上人は、善導大師撰『観経』の浄土開宗の文「順彼仏願故の文」によって浄土往生の確信を得られました。各祖師の遺文と諸伝記の記載を追って、その背景について考察しました。開宗の文の味読と法然上人ご自身の専修念仏への回心(浄土開宗)とが直結する背景には、聖光上人・良忠上人といった鎮西義の京都進出が不可決であり、浄土宗の学徒は、専修念仏の実践を第一とする二祖三代の伝灯こそ、そこに見出していかねばならない、と述べられました。

 

宇髙良哲研究指導員は南光坊天海と徳川家康」と題し以下のように講演しました。

 

徳川家康はなぜ天公僧南光坊天海を重用したのか、政僧天海の一面が注目されているが、天海が当時の仏教界を代表する学僧であったことを、諸伝記の記述からではなく、同時代の史料・古記録から考察しました。徳川家康の御前で行われた論議で中心的役割を果たした「御前論義」、焼失した比叡山の書籍を補充するため積極的におこなっていた「書籍収集」、3代将軍家光の援助を受けた「一切経開版」などを紹介しながら、天海の実像に迫りました。

 

さらに詳しく知りたい方は、『南光坊天海関係文書集』(宇髙良哲 青史出版 2016) (請求記号:188.2283-Te36)『南光坊天海の研究』(宇髙良哲 青史出版 2016)(請求記号:188.228-U27)『南光坊天海発給文書集』(宇髙良哲,中川仁喜編 東叡山寛永寺監修2014)(請求記号:188.2283- Te36)を御覧ください。

 

 今回も、寺院関係者の方、研究者の方、浄土宗関係者の方、他宗派関係者の方、仏教にご興味をお持ちの方等47(内会場参加者9)方から聴講のお申し込みをいただきました。また、マスコミ関係者として、株式会社中外日報社、株式会社文化時報社の記者の方が取材されました。ご聴講された皆様に心からお礼申し上げます。

 

聴講された方々のお声の一部をご紹介します。

「アーカイブ配信をして頂いたので日程に縛られず拝聴できてよかった」

「興味深く楽しく聞けました」

「徳川家康のお話、とても面白かったです」

 また、今後講座で取り上げて欲しいテーマとして

「戦国武将と寺院や宗教の関係について」「善導大師の歩み・考え方」 「増上寺日鑑に仏教以外に関する記述が多いことについて」「廃仏毀釈」等のご要望をいただいております。

今後も、皆様のご期待に添えますよう、聴講された方々の貴重なご意見をご参考にさせていただき、みなさまのご要望に研究員の熱意で少しでもお応えできるよう取り組んでいきたいと考えております。 

 

第2回 公開講座(ハイブリッド開催)

 

開催日時:2024年10月7日(月)15:0017:00

開催方法:ハイブリッド開催Zoomミーティング・会場 閲覧室)

講座:

①古宇田亮修(三康文化研究所研究員・淑徳大学長谷川仏教文化研究所主任研究員

 

 湯山明博士の学問と蔵書に学ぶ

 

②西村実則(三康文化研究所研究員・大正大学名誉教授)

 

  「椎尾弁匡師のポートレート」

 

定員:事前申込制 先着順 オンライン80名 会場20名

 

参加費:無料 

 

内容: この度、三康文化研究所において古宇田亮修研究員(専門分野:梵語文献学、仏教思想史)と西村実則研究員(専門分野:釈尊伝・印度部派仏教・近代仏教学の確立)による2024年度第2回公開講座を107日に会場とオンライン(ZOOM)を併用してのハイブリット形式で開催しました。


 

古宇田亮修研究員は「湯山明博士の学問と蔵書に学ぶ」と題し、三康図書館に「湯山文庫」として蔵書が一括して寄贈されている、印度学仏教学者・湯山明(専門分野:仏教文献学)(1933-2019)の学問的業績をたどり、湯山文庫の意義について述べられました。湯山文庫は、図書は約13,780冊、雑誌は356タイトル(3,965)から成ります。湯山氏は、仏教梵語を生涯の研究対象とし、世界各国の大学で講義をおこなってこられ、仏教梵語(文献学)とそれに関連する書籍を世界中から半世紀あまり収集されてこられました。古宇田氏は、「これが三康図書館に一括して寄贈されたことで、都心という利便性の高い地で、仏教の歴史的起源とその展開を探る本格的な研究活動が可能になった」と評されました。

 

西村実則研究員は「椎尾弁匡師のポートレート」と題し以下のように講演しました。


椎尾弁匡(1876-1971)について、客観的に中立の立場で、学者、教育者、社会教化推進者、政治家の側面から、椎尾弁匡師の実像に迫りました。学者として、パーリ語、大乗経典の成立と内容分析、中国の浄土教、日本浄土教を研究しています。教育者として、名古屋の東海中学校、東海女子高、東海学園大学の設立に貢献しています。大正大学では、3期にわたり学長、生涯にわたり増上寺法主、三康文化研究所の初代所長を務めています。椎尾弁匡の蔵書は三康図書館に「椎尾文庫」として所蔵されています。社会教化推進者として、ラジオ放送で講演、街頭布教で説法、共生運動を立ち上げて標語を善導作『住生礼讃』「願共諸衆生 往生安楽国」から2字を取り「ともに生きる」としました。また、政治家として、衆議院議員になることも「共生」運動の一環でした。

 

今回も、寺院関係者の方、研究者の方、浄土宗関係者の方、他宗派関係者の方、仏教にご興味をお持ちの方等27(内会場参加者5)方から聴講のお申し込みをいただきました。また、マスコミ関係者として、株式会社中外日報社の記者の方が取材されました。ご聴講された皆様に心からお礼申し上げます。

 

聴講された方々のお声の一部をご紹介します。

「詳細なレジュメを頂き有り難うございました」

「回を重ねて行く事で、僅かですが、専門用語も耳に残るようになりましたし、意義も掴めるようになりました。」

「大変興味が湧きました。又、お声掛けください。」

 

今後も、皆様のご期待に添えますよう、聴講された方々の貴重なご意見をご参考にさせていただき、みなさまのご要望に研究員の熱意で少しでもお応えできるよう取り組んでいきたいと考えております。

 

 なお、今後の公開講座ですが、下記を予定しております。

 

1回 2025年 512() 16:0018:00

講演:

①石川琢道(三康文化研究所研究員・大正大学准教授

 

 「増上寺四六世 妙誉定月上人について

 

(三康文化研究所研究員・浄土宗総合文化研究所研究員)

 

浄土宗名越派の教学研究序説

 

定員:事前申込制 先着順 オンライン80名 会場20名

 

参加費:無料 

 

詳細・申込方法はホームページ、FacebookTwitter等でご案内させていただきます。

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